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2016年08月25日

続・オリンピック、終わっちゃいましたね〜吉田主将

 
オリンピック生中継を見ながら、何度心臓が口から飛び出るかと思ったボクですが、今大会、ボクが最も心を揺さぶられたのが、女子レスリング53kg級決勝です。

言わずとしれた、吉田沙保里選手(大変失礼ながら、以下敬称略)の4連覇を賭けた戦い。
そして、その結末。

対する米国の選手は、ヘレン・マルーリス選手(24才)
子供の頃、吉田沙保里の試合を見て、真剣にレスリングに取り組んだマルーリス
吉田沙保里と戦うために、減量して階級を合わせてきたマルーリス
打倒吉田沙保里を夢見て、人生のすべてを賭けてきたマルーリス

一方、
全国民からの4連覇の期待を一身に背負ってきた吉田沙保里
勝って当たり前!の雰囲気の中、負けることは許されない状況の吉田沙保里
主将として、日本選手団を牽引してきた吉田沙保里
年齢による体力の衰え、怪我などで、満身創痍の吉田沙保里
自分のレスリングを徹底的に教え込んだ父が残した「勝って辞めろ」の言葉
その父不在の初めてのオリンピック
流石の吉田沙保里も、これらのプレッシャーで、夜も1時間毎に目が覚め、ずっと寝不足だったという。

吉田沙保里にとってはあまりに厳しい条件。


しかしながら、かく言うボクも、吉田沙保里が負けるなど、1mmも思わなかった一人です

準決勝までは、圧倒的強さで勝ち進んだ吉田選手。
一足先に4連覇を成し遂げた伊調馨の決勝戦が、なんとか勝った!って感じ(それでも凄いことなんだけど)だったので、吉田なら決勝も圧倒的強さで金メダルを取ってくれる!なんて余計な期待までしちゃって (~_~;)

yosida-helen1.jpg待ちに待った、オリンピック今大会のメインイベントが始まりました。

他のゲームなら、勝ったら凄いな。
前評判なんかブッ飛ばせ!
くらいの気持ちで観てますが、吉田沙保里の試合は違います。
upsoda-helen2.jpg
名前も聞いたことのない米国選手にリードを奪われます。

でも、最後は吉田沙保里の勝利になると、最後の1秒まで信じて疑いません。
yosida1.jpg
しかし、信じられないことが起こりました。

世界中の誰もが予想しなかったであろう光景。
勿論、負けた吉田選手も勝ったマルーリス選手も。
yosida-helen4.jpg
吉田選手、泣いてます。
勝ったマルーリス選手も泣いてます。

悲しみのどん底にあっても、勝者を讃えることを忘れない吉田選手。
yosida2.jpeg
試合直後の吉田選手のインタビュー。
泣いてます。

ボクも泣きました。
涙が止まりません。
yosida3.jpg
そして、涙の枯れぬ間に表彰式。
今まで、こんなに悲しそうな痛々しい姿の銀メダリストを見たことがありません。

いつまでも、涙が止まりません。
yosida2.jpg
自分を破った金メダリストとの握手も

銅メダリストとも握手をしてました。
yosida5.jpg
悔しくて悲しくてしょうがないであろう銀メダルを、リクエストされるままこのようにポーズ。

なかなか、いや、とてもできることではありません。


試合直後の吉田選手のインタビューを一部抜粋させていただきます。
---前略---
「たくさんの方に応援していただいたのに、銀メダルで終わってしまって...申し訳ないです…」
そんなことないですよ。素晴らしい戦いでした。
「日本選手の主将として金メダルを取らないといけないところを取れなくて(言葉になりません)… ごめんなさい…」
ー決勝戦、非常に厳しい戦いでしたが、敢えて敗因を挙げるのはどの辺りでしょうか。
「自分のやっぱり気持ちが、最後は勝てるだろうと思ってたんですけど、取り返しのつかないことになってしまって………」
そんなことは誰も思ってないと思います。
---続く---

このインタビュアーの方の言葉は、まさに全国民の、世界中の吉田ファンの気持ちを、まさに代弁してると思います。

この試合直後のインタビューと、表彰式後のインタビューがYOUTUBEにありました。
いつ削除されてしまうかわかりませんが、貼っておきます。

何度見ても、泣けてきます。

何の努力もしないボクらが勝手に、吉田沙保里なら4連覇できると期待して、余計なプレッシャーをかけてしまった。
あなたは悪くない!素晴らしい試合だった。素晴らしい銀メダルだ。
だから、お願いだから謝らないで!と泣きながら、このインタビューを見ていたのはボクだけじゃないはず。



「主将として、金メダルを取らないといけないところ」と、吉田選手は言ってました。

主将の責務を果たしながらの銀メダルは立派です。

“JUDO”がまだ“柔道”で、日本柔道がJUDOを制してた頃の、柔道選手が日本選手団主将を務めていた時代(1984 ロサンゼルス 山下、88 ソウル 斉藤、92 バルセロナ 古賀)を最後に、主将は表彰台に上がれないというジンクスまで出来上がってしまいました。

96年 アトランタ:谷口浩美(マラソン) 19位
00年 シドニー:杉浦正則(野球) 銅メダル
04年 アテネ:井上康生(柔道) 準々決勝一本負け
08年 北京:鈴木桂治(柔道) 初戦一本負け
12年 ロンドン:村上幸史(やり投げ) 予選14位
(間違いあったらごめんなさい)

そして、そんなジンクスを吹き飛ばすように、主将を快諾した吉田沙保里。

16年 リオデジャネイロ;吉田沙保里 銀メダル

この結果は、堂々と胸を張っていい、いや張るべき成績ではないだろうか?

上記の'96〜'12の獲得メダルは
金メダル数の順位、金、銀、銅、合計の順で
アトランタ 23位 3 6 5 全14
シドニー 15位 5 8 5 全18
アテネ 5位 16 9 12 全37
北京 8位 9 6 10 全25
ロンドン 11位 7 14 17 全38

そして、今大会。
medal.PNG
自身が鼓舞しリードしてきた女子レスリングの金3銀1を始め、堂々の成績。

吉田主将!

最強です!!

あなたの強い気持ちが、日本選手を引っ張っていったに間違いありません。


主将としても
「ごめんなさい」ではなく
「どうだ!!」と言ってほしいものです。





少し、金メダルを勝ち取った米国選手についても書こうと思います。

ヘレン・ルイーズ・マルーリス選手、24才
受賞式後の会見で、このように言ってます。
「サオリのことを研究すればするほど、彼女のことが好きになった。彼女と戦うことは夢だった。サオリは敵ではない。神様は本当にそれを私に教えてくれました」
「私は長い間、サオリと戦うことを夢見てきました。彼女は英雄です。彼女はこのスポーツで最も多くの栄冠を手にしたレスラーで、彼女と試合をできたのは本当に名誉なことだった」

12歳の頃、両親にレスリングは止めなさいと言われた時、アテネオリンピックでの吉田沙保里を見て、両親を説得。
父親が恐くてレスリングを辞めたくて母に相談したら「沙保里がホントにやめたいんだったらお父さんに言いなさい」と言われたけど、結局恐くて言い出せなかった吉田との違いが面白い。

マルーリス、これまで、吉田沙保里との対戦成績は2戦2フォール負け。

昨年の世界選手権で、55kg級で優勝(吉田は53kg級で優勝)
憧れの吉田と戦うため減量し、53kg級に。
コーチの「吉田を倒さないと金メダルは取れないぞ」の声で、打倒吉田にすべてを捧げ、猛練習。
日本人でも、吉田と同じ階級では金メダルどころか日本代表にもなれないので、階級を変える選手も多い。
(以前、名前は忘れたが、敢えて吉田と同じ階級で戦い続けた選手がいた。この選手も素晴らしい)
それを、敢えて...

マルーリス選手のことは、後から聞いた。

これも、録画でも感動する名勝負級の素晴らしい話し。

ちなみに、吉田沙保里は、試合後、彼女のことをこう言っている。
「ヘレンは4年前とパワーが全然違いました。もともと、彼女は55キロ級だったので、減量が多くてヒーヒー言っていた。53キロ級に落とせるのかなと思っていたんですけど、しっかり落としてきて……。そしてあれだけ動けて、強い相手もどんどん倒してきた。本当にヘレンは強かったです」

自分を倒した勝者を讃える吉田も素晴らしいが、この言葉を聞いたマルーリスもさぞ嬉しかったに違いない。


helen.jpg
「世紀の大番狂わせ・吉田沙保里敗北」のニュースは世界を駆け巡ったと聞く。

恐らく、地元米国では、日本でのバド女子ダブルスや陸上400mリレーのニュースの何倍もの驚きと興奮で伝えられたことと思う。


吉田沙保里にもドラマがあり、その向こうのマルーリスとそれを聞いた米国民にもドラマがあり...





この二人のエピソード、そのうち、感動のアンビリーバボーとかで、再現ドラマできるかな?


スポーツって、オリンピックって、素晴らしい!
んじゃ (^_-)☆ /~~~


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posted by ShimaQ at 23:50 | Comment(0) | スポーツ(観る方)