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2008年05月28日

コンコルドの誤り

 
 
 
先日のブログ「コンコルドの誤り」という言葉を使わせてもらったが、


コンコルドの誤りって何?」

というお問い合せが














 1件もありませんでしたが(T△T)、勝手に説明します。
   (何のため?知識をひけらかせたいの? 仰るとおり!)



以前、動物生態学なるモノに興味を持ち、何冊か本を読んだことがある。


その中の1冊
岩波新書の「科学の目 科学のこころ/長谷川眞理子」(1999年刊 長谷川眞理子先生の専門は行動生態学)の中の一節に興味をひかれた。

1羽の雄の鳥がこれまで大変な努力をして雌の鳥に求愛してきたが、全く見込みがない。この雄はこのまま求愛を続けるか?という例を出して、以下のように書いている。

『 コンコルドは、開発の最中に、たとえそれができ上がったとしても採算の取れないしろものであることが判明してしまった。
つまり、これ以上努カを続けて作り上げたとしても、しょせん、それは使いものにならない。
ところが、英仏両政府は、これまでにすでに大量の投資をしてしまったのだから、いまさらやめるとそれが無駄になるという理屈で開発を続行した。
その結果は、やはり、使いものにならないのである。使いものにならない以上、これまでの投資にかかわらず、そんなものはやめるべきだったのだ。

 このように、過去における投資の大きさこそが将来の行動を決めると考えることを、コンコルドの誤りと呼ぶ。
求愛行動だけでなく、なわばりの確保や子育てなどのさまざまな状況において、どこでやめるべきかという「意志決定」が必要となるだろう。
そのとき、過去にどれだげの投資をしたかに重点をおき、それを目安に将来の行動が決まるとするのは誤りなのである。』

動物の世界では、このような誤りはしないそうである。
そう、先ほどの雄の鳥は、別の見込みのありそうな雌にアタックするらしい。

人間(一部の高等動物も?)だけが犯す誤りなのだそうだ。




ボクはこの理論がたいそう気に入り、よく友人に話していた。

そして、今や自分の行動基準の中核でもある。

「今までの努力が....」という事だけで将来の行動を決めていないか?  と。

 (いや、もともとそういう考え方だったから、この一節が気に入ったのかも知れない)






最近よく話題になる、公共工事の無駄遣い(ハコモノ、ダム工事、道路工事等)なんかは、このコンコルドの誤りに依るモノが多いように思われる。

「今更、途中でやめられない!!」

どこかの、新幹線の新駅にまつわる争いの報道を見ていたら、何度も出てきた言葉である。

長野の田中知事の「脱ダム宣言」の時も、よく聞かれた言葉だね。
田中知事が食い止めてきたコンコルドの誤りも、知事が替わったら、この誤り、繰り返すみたいだね。



先日、TVを見ていたら、「道路工事の無駄!」という特集をしていた。

作りかけで工事中止となっている道路を映し、
「これまで○○○億円かけてきてここまで作って、お金がなくなって工事中止のまま放置」
と盛んに批判していた。

確かに、見通しの甘さは批判されても致し方ないとは思うが
じゃぁ、さらに、後○○億円かけて道路を完成させればいいのか?
その結果、ガラガラの道路ができあがって、それでよしとするのか?


確かに、無駄な道路を造り続けるよりは(必要な道路は別ですよ)、
その金を医療などに回すべきだとは思うが、
何でもかんでも批判する報道の姿勢は如何なモノか!?

と思う。






ちなみに、過日、姉の家に行ったら、甥っ子が中学だか高校の時に使っていた教科書が置いてあった。
パラパラとめくると、このコンコルドの誤りが載っていた。


おぉ、教科書にも載るほどの名文章だったのか!?
と驚いた。










先日、悪友Sと飲んでいたら、この話を出してきた。

彼には、何度もこの話をしているから、やっと覚えたようだ。


が、彼が言うには
「コンコルドの誤りって、小学校の教科書にも載ってるのな!」



小学校はありえねぇだろう!?


調べてみると、高校2,3年用の教科書である。


まっ、いかにも悪友Sの勘違い。

じゃ (^_-)☆ /~~~


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posted by ShimaQ at 22:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 世の中